cotton の 目

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当たり障りのない性格のわたしが、密かに持っている視点を綴ります。

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オープン/クローズ の選択

 

病気などについて、「オープンにする」「クローズにする」という言い方があります。
聞いたことはあるでしょうか。
どういうことなのか、また、わたしがどう捉えているのかをまとめてみました。

 

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かいているひと:cotton
マイペース主義の慎重派。まとまらない視点・思考をブログで放出中。


オープンとクローズ。このブログでもちょこちょこ出てきていますが、この言葉について改めて考えてみたいと思います。

「オープン」と記載した記事

わたしの手帳① 就職活動 - cotton の 目

先日、出身大学の先生から連絡がありました。 今年度のゼミ生の卒業論文インタビューを受けてくれないか、とのこと。 わたしの考えをある程度まとめるために、この場を使って「障害者手帳」について考えてみることにします。

てんかん持ちの運転事情 - cotton の 目

てんかんを持っている人は、自動車の運転に対して大なり小なり不安を抱えているかと思います。 この不安について、わたしの思いや経験を書いてみようと思います。


 

まず、わたしが認識している一般論を説明しますと、
「オープンにする」とは、身のまわりの人(友人、職場の人等)に対し、自らの病気や障害、特性を公表することを言います。
反対に、公表しないことは「クローズにする」といいます。

例えば、
「私は病気をクローズにして働いています」「パートナーには性的指向をオープンにしています」などと使います。

働き方に限っていう場合は、それぞれ「オープン就労」「クローズ就労」という言い方もするようですが、わたしはあまり使わないかな。

 


 

わたしがてんかんについていう場合は、「基本的にはてんかんをオープンにして生活しています」という感じ。

便利な言葉ではあるのですが、オープンでもクローズでもない場面もたくさんあるよな、と感じています。

どういうことか、わたしのアルバイト先についての例を出して説明します。

わたしは採用面接の際に、てんかんがあり まれに発作が出ることがあること、服薬である程度コントロールできていること、運転免許は取得していないこと等を説明しています。

つまり、てんかんを明確にオープンにして面接に臨んだということになります。
その結果、病気についての把握をしてもらった上での採用となりました。

しかし、現在職場の全員がわたしの病気を知っているわけではありません。
知っているのはせいぜい社長と周辺の上司ぐらいで、残りはわたしが昼食時になんらかの薬を飲んでいるとしか知らないと思います。

これをオープンにしていると言えるのか、わたしはそう思わないので、一部の人にはオープンにして働いている、という表現になるかと思います。

じゃあそのほかの人にはクローズにしているのかといえばそうでもなく、「なんの薬?」と聞かれれば言うと思うし、そもそもクローズにしたければ隠れて飲むし。

でも、説明が面倒なので「持病の薬」って言うこともある。
クローズにしたいんじゃなくて、てんかんっていうとてんかんって何?って話になるかもしれないし、大丈夫?って心配されるかもしれない。
その一連の流れと、それを想像する労力を考えると面倒で。。。

だから、オープンにもクローズにもしていない、というのがしっくりきます。

 


 

では話を切り替えて、オープンにすることがエラいのか。

自分のことをオープンに語れる人が、テレビなんかでよく取り上げられますよね。
とてもすごい人に見えます。

でもそれがエラいのかというと、違うと思っています。

オープンにするのは生活上オープンにすることが必要だと感じているからであり、エラい、すごい、と評価する対象ではないと思うのです。

そしてそのオープンにする必要性は個々人によって程度が異なっていて、明らかに他者から病気等が認識される状態になって初めてオープンにしようと思う人もいれば、言わなければわからない、支障はないけど、精神的につっかえがあると感じるからオープンにしたいと思う人もいる。

それに正解も不正解もない。
クローズにすることで自己防衛している人も、それはそれで生存術だと思っています。

一方で、公言しなければ 社会における理解や配慮は進むはずもなく、よりよくなっていくことは難しいです。

だからこそメディアなどを活用して、こんな問題があるよ、と発信する必要はあるんですよね。

それを考えるとやはり発信する人が貴重であることは否定しません。

ただし、オープン=エラい/クローズ=エラくない的な思考は、上手く言えないけれどどこかがずれてしまっているように感じます。

 


 

最後にわたしの状況をお話しすると、就職活動などわたしのことを理解してもらいたい場面においては、クローズにすることがとても辛いです。

オープンにすることの辛さや難しさが語られることは多いのですが、逆はあまり聞かないのでここに綴っておきます。

オープンにする困難さは、病気などに対しての偏見・無理解が原因のほとんどかと思います。
わたし自身も偏見には苦しんでいますし、わかっているつもりです。

ただ、それ以上に助けを求められない方が怖い。
てんかんの恐怖については以前の記事にたっぷり書いているので割愛しますが、クローズにしてしまうと助けて欲しいときに気付いてもらえない危険性があります。

そのリスクがわたしには重いので、オープンにしたい。

そしてもう一つ。嘘はつきたくない。
わたしのことを等身大で理解してもらうためには、病気をちゃんと伝えなければと思ってしまうのです。

これはわたしの性質であって、クローズで働いている人を嘘つきと咎めたいわけではないことをご理解ください。
何か隠していると思い詰めてしまう、申し訳なく思ってしまうんです。

自分の精神衛生を守るために選んだのが、オープンにするということでした。
就職が思うようにいかないときに、病気のことなんて言わなきゃいいのにってよく言われますが、そうもいかないんですよね…

以上のことから、オープンにすることよりクローズにすることの方が辛い、という場合もあるのです。

ちなみに、もう一つの持病「摂食障害」は基本クローズ。
てんかんと違って伝えないことによるリスクがそれほど大きくないと感じているからでしょう。

 


 

今回はオープンとクローズ、二者択一に聞こえるけどそうでもないかも、ということを書いてみました。

病気でなくとも、場面によって見せる顔と隠すものが誰にでもあるはず。
わたしのこのブログは圧倒的にクローズになってます😅

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